深夜営業とは?
深夜営業とは、正確には深夜酒類提供飲食店営業といい、深夜(午前0時から日の出時まで)において、バー・ガールズバー・居酒屋等の客に酒類を提供する飲食店を指します。
なお、深夜に酒類を提供する飲食店でも、ラーメン店・牛丼店等のように、通常主食と認められる食事を提供していて、付随的に酒類を提供しているような飲食店は、深夜営業には該当しません。お酒を主に提供しているかどうかで判断します。
深夜営業は、客に対しての接待が出来ませんので、接待を行う場合には風俗営業の許可が必要となります。もし、風俗営業の許可を取得せずに接待を行っていると、無許可の風俗営業ということになり2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれが併科されます。
深夜営業を営もうとする場合は、まず保健所にて飲食店の営業許可を受けてから、営業開始の10日前までに、その営業所(お店)の所在地を管轄する警察署を窓口として、各都道府県公安委員会に営業開始の『届出』をする必要があり(風営法第33条)、無届で営業した場合は、50万円以下の罰金が科せられます。
風俗営業(2号営業)との主な違い
接待 | 営業時間 | 許可・届出 | 警察への手数料 | 実地調査 | |
風俗営業(2号営業) | ○ | 原則深夜0時まで(例外的に深夜1時まで営業可能な地域あり) | 許可制(申請から55日以内に許可) | 申請時に27,000円 | ○(風俗環境浄化協会もしくは警察による調査) |
深夜営業 | × | 深夜0時以降も営業可能(朝までOK) | 届出制(営業開始の10日前までに届出) | 手数料なし | × |
※同一店舗で深夜営業と風俗営業を兼ねて営業することは出来ません。
深夜営業の禁止事項
深夜営業を営むにあたっては、以下のことが禁止されています。
- 18歳未満の者を午後10時から翌日の日出時までの間、
- 客に接する業務に従事させること。
- 客として立ち入らせること。(保護者同伴の場合は除外されます)
- 20歳未満の者に酒類やたばこを提供すること。
- 深夜において客引きすること。
- 接客従業者に対する拘束的行為をすること。
深夜営業の遵守事項
深夜営業を営むにあたっては、上記の禁止行為に違反しないようにするとともに、以下のことも守らなければなりません。
- 深夜0時以降に客に遊興をさせないこと。
- お店の構造、設備を次の基準に適合するよう維持すること。
- 客室の床面積を9.5㎡以上とすること。(客室が一室の場合は面積制限はありません)
- 客室に見通しを妨げるような高さ1m以上のつい立や仕切り等の設備を設けないこと。
- 善良の風俗又は風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾、その他の設備を設けないこと。
- 客室の出入口に鍵をかけないこと。(営業所外に直接通ずる客室の出入口についてはこの限りではありません)
- お店の照度が20ルクス以下とならないようにすること。
- カラオケの音やその他の騒音、振動が条例で定める数値を超えないようにすること。
- ダンスが出来るような構造又は設備を設けないこと。
- 従業者名簿を備え付けること。
営業者は、営業所ごとに従業者名簿を備え、名簿には営業に係る業務に従事する者の氏名及び住所等の事項を記載する必要があります。
従業者名簿の記載事項は以下の通りです。但し、接客従業者の「生年月日」「本籍又は国籍」 を記載する際には、接客従業者より運転免許証・住民票・パスポート・外国人登録証等を提出してもらい、「生年月日」「本籍又は国籍」を確認する必要があります。
その上で、これらの確認書類の写しを従業者名簿と一緒に保管して下さい。
【記載事項】- 氏名
- 住所及び電話番号
- 性別
- 生年月日と営業者が確認書類によってこれを確認した年月日
- 国籍と営業者が確認書類によってこれを確認した年月日
- 従事する業務の内容
- 採用年月日
- 退職年月日
- 退職事由
※従業者名簿は、従業者が退職(又は解雇・死亡)の日から起算して3年間は保管が必要です。
深夜営業の届出に際してご用意頂く書類
ご用意頂く書類は、そのお店を個人経営するか、法人経営するかで異なります。
書類によっては当事務所で取得代行の出来るものもございますのでご相談下さい。
個人経営の場合
- 住民票 1通(本籍地記載で、発行日より3ヶ月以内のもの)
⇒外国人の方は、- 登録原票記載事項証明書 1通(発行日より3ヶ月以内のもの)
- 在留カードの写し 各1枚(表裏の両面とも)
- お店の賃貸借契約書等の写し 1部
法人経営の場合
- 定款の写し 1部
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書) 1通(発行日より3ヶ月以内のもの)
- 役員全員(監査役含む)の住民票 各1通(本籍地記載で、発行日より3ヶ月以内のもの)
⇒外国人の方は、- 登録原票記載事項証明書 1通(発行日より3ヶ月以内のもの)
- 在留カードの写し 各1枚(表裏の両面とも)
- お店の賃貸借契約書等の写し 1部
廃業について
深夜営業を廃業した場合は、その日から10日以内に、『廃止届出書』という書類を、お店の所在地を管轄する警察署を窓口として、各都道府県公安委員会に提出しなければなりません。